「道にもし迷ったら、生駒に向かって帰るんやで。」
東大阪に育った人は、必ず親からこんなことを言われてる。
生駒山がある方が東で、それを基準にして方角を考える癖が小さな頃からしみついている。
生駒山の麓にあり、大阪市の東側にあるのが東大阪。
その昔、布施と河内と枚岡が合併して、ひとつの大きな市となった。
中小企業の工場などが多く、割とごちゃごちゃしたイメージもあると思うが、地元民だけが知っている、おすすめの絶景スポットと穴場のグルメを紹介する。
地元民が考えた、東大阪ツーリングコースはこちら。
スタートは荒本のそびえる茶色のビル。東大阪市役所とした。
まずは中央大通りを東に向かって石切神社に向かう。170号線(地元では外環)と交わる交差点にでっかい看板があるので、迷うことはないだろう。
正式な名称は、石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)という。
地元の人間でも正式な名称は知らない人がほとんどで、大体は「石切さん」と呼んでいる。天神さんとか住吉さんとか、関西では神社に「さん」を付けて呼ぶ習慣がある。
南駐車場の方に絵馬殿があって、ここを歩いてまっすぐ進むと本殿の鳥居へと続く。
絵馬殿の屋根に見逃してはいけないものがある。
屋根の上に刀剣と矢がそびえ立っている。
この刀剣で切れないものはないので、でんぼの神様として崇められている。
最近ではガンを切るということで、がん封じで参拝される方も多い。
金色に輝いているし、本当になんでも切ってくれそうな感じがする。
本殿や参道は平日であっても、多くの人が訪れる。
お天気の良い休日にはお店の前で人だかりができるほど。
いろいろと食事をする場所があるのでどこかに入ると良いだろう。
おススメは明石焼き。いつから流行りだしたかは知らないが、お店は二軒ある。
ひとつは「銀泉堂」もうひとつは「たこつぼ」
なんで大阪で明石焼き?
たこ焼きとは違い、明石焼きは必ずお店の中で座って食べる。
多分、坂道を歩くのに疲れてきたお年寄りが、ちょっと休憩がてらに小腹を満たすことができたので、人気がでたのではないかと推察する。
どちらのお店もふわふわ感と出汁のあっさりが美味しい。
その他にも、よもぎの天ぷらやお餅などおいしいものはたくさんあるので散策しながら、好きなものを選んでも良いと思う。
石切参道でグルメを楽しんだあとは、枚岡神社方面から国道308号へ入り。暗峠をめざして欲しい。
暗峠は、「くらがりとうげ」と読む。国道308号として現在も現役だ。
大阪と奈良を往来する最短ルートとして、多くの人に親しまれている。
急勾配の道なので、さすがに車高の低い車は絶対に底を擦ってしまう。
なので、車はさほど多く来ないので走りやすい。
ハイキングや散策する歩行者には十分に配慮した運転が必要だ。
大阪と奈良の境付近は、石畳になっており、ゆっくりと通過しないと転倒することもある。
峠を越えると、奈良になってしまうが、友遊由(ゆうゆうゆう)というCAFEがあるので、立ち寄ってほしい。
冬場だと、路面凍結とかがあって、なかなか行けないが、夏場だったら、かき氷が特におすすめで、棚田の風景を見ながら休憩できる。
西畑町の棚田(2021年7月撮影)
裏情報にはなるが、このCAFEで「酷道308号」のオリジナルステッカーが販売されている。ここでしか手に入らないものなので、マニアでなくても買っておいて損はない。
暗峠では奈良側の景色は見えるが、残念ながら大阪の街を見渡すことはできない。
大阪の街を見る場合は、170号線の下六万寺をあがったところに、府民の森のらくらく登山道の駐車場があるので、そこからの景色が綺麗だ。
アベノアルカスや六甲山の山並みまで見渡すことができる。
ここの駐車場は夜間は閉鎖されるので17時までに行ってほしい。
170号線の六万寺から池島のライフの近くに、リエルグというケーキ屋さんはおススメだ。週に2回程度しか営業していない穴場中の穴場で、どこにもない上品で良質の材料で作られたケーキを購入することができる。
多分、初めての人は見つけることができないと思うので、店舗のツイッターなどでチェックしていただきたい。
東大阪ツーリングの最後は、再び、東大阪市役所に戻ってくる。
市役所の22階にある展望室からの景色は、まさに絶景だ。
東西に走る阪神高速東大阪線と南北に走る近畿自動車道がクロスする東大阪ジャンクション。普段何気に走っている高速道路も、上空から見ると美しく感じる。
特にここから見る夜景は、大阪の中でもトップクラスの絶景スポットだろう。